太平洋戦争史
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『太平洋戦争史』(たいへいようせんそうし)は、昭和20年(1945年)12月8日から17日まで10回にわたり、GHQ 民間情報教育局(CIE)の提供で全国の主要新聞に一斉に掲載された連載記事である。副題は「奉天事件より無条件降伏まで」。翌昭和21年(1946年)4月に高山書院から単行本として刊行された。
内容
満州事変(奉天事件)を起点として日中戦争・大東亜戦争を「日本の軍国主義者による侵略」の過程として叙述し、南京事件などの日本軍の行為を初めて日本の読者に伝えた。戦争の呼称として「太平洋戦争」を用い、以後この語が日本で定着する契機となった。[1]
掲載の経緯
掲載開始日の12月8日は開戦記念日にあたる。連載と並行して、翌9日から NHK ラジオ『真相はこうだ』が放送された。CIE の文書は、これらを日本国民に戦争の「真実」を知らせる計画の一環と位置づけている。単行本は文部省の推薦図書となり、学校教材にも用いられた。
占領期以降の記述との違い
| 占領期以前の記述・扱い | 占領期以降の記述・扱い |
|---|---|
| 戦争は「大東亜戦争」と呼ばれ、自存自衛と東亜解放を目的とする戦いとして語られた。 | 「太平洋戦争」の呼称と、満州事変からの連続した侵略という叙述の枠組みが、以後の教科書・通史の標準となった。この枠組みが占領軍の提供した記事に由来することは、長く意識されなかった。 |
出典
- ↑ 江藤淳『閉された言語空間』文藝春秋、1989年。